古いExcelマクロが業務を止める?──レガシー資産との付き合い方
- ITワークラボ
- 2025年12月4日
- 読了時間: 4分

「このExcel、誰が作ったんだっけ…?」
中小企業の現場でよく聞くフレーズです。
気づいたら会社の大事な業務が、“昔の担当者が作った謎のExcelマクロ” によって支えられている――。そんな状況、実は珍しくありません。
そして、その Excel が突然動かなくなった瞬間、業務が丸ごと止まってしまう ことも起こりえます。
今回は、古いExcelマクロが抱えるリスクと、中小企業でも無理なくできる“レガシー資産との正しい付き合い方”を紹介します。
① 「このExcelが壊れたら終わる」状態が一番危険
よくある現場の悩みは、こんな状態です。
作成者が退職していて、誰も中身が分からない
エラーが出ても触るのが怖くて放置
月次・年次処理がこのExcelに依存
PCを買い替えたら動かなくなった
そもそもどこにマクロが入っているか不明
これらのファイルは、レガシー資産(古いシステム)と同じです。
壊れた瞬間に「復旧できない」「業務が回らない」という事態を招きます。
② なぜ古いExcelマクロは危険なのか?
Excelマクロ(VBA)は便利ですが、長年放置するとリスクが増えます。
● 担当者依存で“ブラックボックス化”する
「Aさんしか触れない」状態は最も危険です。
説明書もなく、構造が複雑で誰も手を出せない――。
この状態が続くと、その人が辞めた瞬間に業務が止まることになります。
● エラーが出ても直せない
古いExcelは、昔のバージョンの仕様で作られています。
新しいExcelとは挙動が違い、
ボタンが動かない
マクロが途中で止まる
計算式が消える
などの不具合が発生しやすくなります。
● Windowsアップデートで突然動かなくなる
意外と知られていませんが、OS(Windows)やOfficeのアップデートでマクロが動かなくなることがあります。
毎月のように更新されるため、いつ壊れても不思議ではありません。
● マクロはセキュリティ上の弱点になりやすい
VBAには脆弱性が見つかることもあり、古いマクロはウイルス混入の入口になるリスクがあります。
特に「マクロ有効ファイル(.xlsm)」は慎重に扱う必要があります。
● 仕事がそのExcelに“依存しすぎている”
販売管理、勤怠管理、請求書発行、日報集計……これらがExcel 1つに依存している企業は非常に多いです。
壊れたら復旧に数日。その間、業務が止まり、請求処理などにも影響します。
③ 中小企業で実際に起きた“レガシーExcelあるある”
決算直前にExcelが動かなくなり、徹夜で手作業に
退職者が作ったExcelで、誰も入力ルールを知らない
PCを買い替えたら全く動かない
ファイルを開くたびに警告が出る
計算式が勝手に書き換わり、数字が狂っていた
毎回コピーして使っていたせいで、どれが最新か分からない
これらはすべて、現場で実際に起きている話です。
④ レガシーExcelと“正しく付き合う”ための4ステップ
Excelマクロ=全部捨てるべき、ではありません。
大切なのは、「危険なものから順に、見える化して整えていく」 ことです。
1️⃣ まず“重要なExcel”を洗い出す
全部を見直す必要はありません。次の視点で優先度をつけます。
壊れたら業務が止まる
月次・年次で必ず使う
マクロ(ボタン/自動集計)が入っている
作成者がいない
入力ルールが人に依存している
“会社の生命線になっているExcel”から順に対応します。
2️⃣ 中身を“見える化”する
難しく考える必要はありません。
何のためのファイルなのか
どのシートが重要か
マクロはどこに入っているのか
計算式の場所はどこか
これをメモ書きしておくだけで、未来の事故が防げます。
3️⃣ 軽い修正で“延命”できるものは現代化する
古い関数 → 最新の関数へ置き換える
重い処理を改善する
不要なマクロを削除
シート構成を整理
完全リプレイスは大変ですが、延命処置だけで5年以上使える場合もあります。
4️⃣ 本当に重要なものは“再設計”を検討する
Excelの限界を超えている場合は、
Webシステム化
外部へのリプレイス依頼
など、無理のない範囲で現代に寄せていきます。
⑤ Excelマクロは“悪”ではない。問題は放置すること。
Excelは中小企業にとって最強の業務ツールです。
すべてを捨て去る必要はありません。
問題なのは、
内容がブラックボックス化している
誰も見直していない
会社として管理していない
という “放置状態” です。
適切に整理してあげれば、Excelはまだまだ長く活躍できます。
⑥ まとめ|レガシーExcelは“今すぐ壊れるかもしれない資産”
古いExcelマクロは、便利な反面、壊れた瞬間に大きな影響を与えます。
誰が作ったか分からない
修正できる人がいない
業務の根幹を支えている
でも見直しは後回し
これは会社にとって“見えないリスク”です。
逆に言えば、今少し手を入れるだけで、数年分の安心が手に入るということでもあります。
💬 ITワークラボへのご相談
ITワークラボでは、・古いExcelマクロの診断・延命処置(最小の修正)・業務フローの棚卸し・必要に応じたリプレイスの相談を行っています。
「まずは現状を見てほしい」という段階でも大丈夫です。お気軽にご相談ください。
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