バックアップは“二重化”が基本──中小企業が備えるべき理由と、今日からできる最小構成
- ITワークラボ
- 2025年11月28日
- 読了時間: 5分

「バックアップはしているから大丈夫」そう思っている中小企業は多いですが、実際に状況を伺うと“バックアップが1つだけ” というケースがほとんどです。
クラウドに保存しているから安心。
外付けHDDにコピーしているから十分。
一見問題なさそうに見えますが、データトラブルは“1か所だけ”のバックアップではカバーしきれません。
最近は、クラウド障害やランサムウェア、誤削除など、バックアップが「1つでは足りない」ケースが確実に増えています。
今回は、中小企業でもすぐに始められる“バックアップ二重化”の考え方と、現実的な最小構成 をまとめました。
① バックアップはしている。でも「一つだけ」になっていませんか?
中小企業の現場でよくある例をご紹介します。
重要データはクラウドに保存
毎週外付けHDDに手動コピー
PCのデスクトップに保存しているものをHDDにまとめてバックアップ
一見問題なさそうに見えますが、これらはすべて 「1つ壊れたら終わり」 の状態です。
特に最近ではクラウドの障害や誤操作による事故が起きており、一つのバックアップに依存するのはリスクが高すぎます。
② なぜ今“二重化”が必要なのか?
次のようなトラブルは、実際に中小企業で頻繁に起きています。
● クラウド内の誤削除・上書きが多い
クラウドは安全ですが、人が間違って削除してしまうリスクは消えません。
削除後に気づかず、そのまま上書きされてしまうと、復元できなくなることもあります。
● クラウド障害も“ゼロではない”
AWSやGoogle、Microsoftの障害がニュースになるたびに、「クラウドだから大丈夫」ではないことが明らかになっています。
障害発生時に“クラウドにしかない”と、業務が完全に止まってしまいます。
● ランサムウェアはクラウドまで巻き込むことがある
ローカルPCが感染すると、クラウドと同期しているデータまで暗号化される事例があります。
● 外付けHDDだけでは故障リスクが高い
突然読み込めなくなるHDDは珍しくありません。
しかも、交換しないまま長年使っている企業が多いのが実情です。
だからこそ、今は“二重化”が必須。
バックアップを複数にするだけで、これらの問題に強くなります。
③ 中小企業がまず知るべき“バックアップの基本ルール”
難しい専門知識は必要ありません。バックアップの基本は次の5つです。
バックアップは最低2種類(クラウド+外付けHDD)
保管場所を分ける(同じ机の中に入れない)
人手より“自動化”を優先する
月1回は“復元テスト”を行う
誰が管理するか(責任者)を決める
特に中小企業では「担当者不在」が多いため、“復元テストをしていない”ケースが圧倒的です。
④ 今日からできる「二重化」の最小構成(中小企業向け)
難しい仕組みは必要ありません。次の2つを組み合わせるだけで“十分に強い”環境が作れます。
1️⃣ メイン:クラウド(OneDrive / Google Drive / SharePoint)
クラウドは普段の業務データ置き場として最適です。
自動同期で手間がない
バージョン管理で誤編集に強い
社内共有が簡単
パソコンが壊れてもすぐに復旧できる
“日常使うデータ”はすべてクラウドに置くのが基本です。
2️⃣ サブ:外付けHDD(週1の自動バックアップ)
クラウドと別ルートでデータを確保するために、外付けHDDを週1で自動バックアップします。
ランサムウェア対策として有効
ネットワーク障害が起きてもデータが取り出せる
物理的な保管なので、クラウド障害の影響を受けない
※外付けHDDは“事務所の別の棚”に置くのがおすすめです。
【二重化のイメージ】
クラウド:常に最新を保持
外付けHDD:週1回のスナップショットを保存
これだけで、さまざまなトラブルに強い仕組みになります。
⑤ 二重化があると、どんなトラブルに強くなるのか?
バックアップを2つにすると、次のような場面で復旧できます。
誤削除 → クラウドのバージョンから復元
クラウド障害 → 外付けHDDから作業継続
ランサムウェア → 外付けHDDが生きている
HDD故障 → クラウドがあるので問題なし
社員トラブル → 共有履歴が残るため、原因追跡可能
つまり、“どんなトラブルでも、どちらかは助かる”状態 を作ることが大切です。
⑥ 中小企業がやりがちなNG例
外付けHDDに“手動コピー”している
クラウドに保存しているだけで安心している
HDDをPCの横に置いたまま
管理者不在で属人化
バックアップを“保存しただけ”で終わっている
復元できるか確認していない
これらは事故につながる典型パターンです。
⑦ まとめ:二重化は“費用をかけない最強の保険”
バックアップは難しくありません。
二重化は、特に中小企業にとって“最も費用対効果の高い”対策です。
クラウド+外付けHDDの2つを用意するだけで、ほとんどのトラブルから会社を守ることができます。
“会社のデータを守る仕組み”は思っている以上に簡単です。今日から始めてみる価値があります。
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