パソコンが突然動かなくなる前に─“データ消失”を防ぐバックアップの基本
- ITワークラボ
- 10月9日
- 読了時間: 4分

「まさか自分が」と思った瞬間に、仕事は止まる
金曜の夕方、A社の経理担当が月末処理をしている最中、突然パソコンがフリーズした。
再起動しても、黒い画面にエラーメッセージが表示されるだけ。
外部の修理業者に依頼したが、戻ってきた言葉はこうだった。
「ハードディスクが故障しています。データの復旧は難しいです。」
数年分の請求書・顧客情報・帳票データが消え、再発行作業で1週間業務が止まった。
「クラウドに入れておけば…」「外付けにコピーしておけば…」と後悔しても、もう遅い。
バックアップは“もしも”ではなく、“いつものこと”として備える時代です。
よくある「データ消失」3つの原因
ハードディスクの故障(物理的トラブル)
PCのHDDやSSDは、平均寿命が3〜5年。突然の故障は珍しくありません。
人為的ミス(削除・上書き・共有設定ミス)
「うっかり消した」「共有フォルダに上書きした」──これが最も多い原因。
サイバー攻撃・ウイルス感染
ランサムウェアによる暗号化や、不正アクセスでのデータ改ざんなど。
どれも「予兆なし」に起きるのが厄介です。
だからこそ、“消える前提”で守る仕組みが必要になります。
バックアップの基本3原則
① 3-2-1ルールを守る
データは 3つのコピー を作る(元データ+2つのバックアップ)
2種類の保存先 を使う(クラウドと外付けHDD)
1つは別の場所 に保管する
「社内のPC」「社外のクラウド」「オフラインの外付けHDD」──この3層構造が理想的です。
② 自動化で“忘れない”仕組みを作る
バックアップの最大の敵は「忙しくて後回し」。
人が操作する方法は、必ず抜け漏れが出ます。
クラウドなら自動同期が可能。Google DriveやOneDriveにフォルダを設定しておけば、保存と同時にバックアップされます。
外付けHDDの場合も、「毎週金曜に接続してコピーする」と決めるだけでも十分。
“習慣化”が最大のセキュリティ対策です。
③ 「保存できている」だけで満足しない
バックアップで重要なのは、「復元できること」。
月に一度、実際にバックアップデータを開いて確認しましょう。
保存していても、実は壊れたファイルしか残っていなかった──というケースは珍しくありません。
クラウド vs 外付けHDD:どちらが正解?
どちらも一長一短。「便利さ」か「コントロール性」かで選ぶのがポイントです。
🟢 おすすめは「両方使う」こと。
日常的なデータはクラウドで自動保存。
月1回、すべてのデータを外付けHDDにもコピー。
HDDはバックアップ後に取り外して安全な場所へ。
この組み合わせで、自然災害・ウイルス・人為ミスのほとんどに対応できます。
“備えている会社”は強い会社
データが消えた瞬間に止まるのは、システムではなく“会社の時間”です。
取引先への対応、請求業務、契約書作成──すべての仕事が連鎖的に止まります。
一方、バックアップを整えている企業は、トラブルが起きても翌日には通常業務に戻れます。差が出るのは「運の良し悪し」ではなく、「準備があるかどうか」。
💬 ご相談はこちらから
バックアップは「やったつもり」では意味がありません。
クラウドと外付けHDDをどう使い分けるか、社員全員が迷わずできる仕組みを整えることが大切です。
ITワークラボでは、
中小企業向けのクラウド導入支援
バックアップ設計・運用ルールの策定サポート
トラブル復旧の事前リハーサル支援
など、“止まらない会社づくり”をサポートしています。
今のうちに、一緒に備えを始めましょう。
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