top of page

2025年、日本国内でセキュリティ事故が「1日1.5件」起きていた

  • 4月7日
  • 読了時間: 5分

更新日:4月21日



——業種・規模に関係なく、「隙がある会社」が狙われる時代


「サイバー攻撃って、大企業の話でしょ?」


そう思っていた経営者の方に、ぜひ見てほしいデータがあります。


2025年1年間で、国内のセキュリティインシデントの公表件数は559件。

1日あたり約1.5件のペースで、どこかの会社がサイバー攻撃の被害を発表し続けていた計算になります。


そして攻撃者の狙い方は変わってきました。

かつては「大企業を狙う」という傾向がありましたが、今は違います。

「侵入できる隙があれば、どこでも狙う」——業種も規模も関係ない時代に入っています。


1日1.5件——数字が示す「日常化」したリスク


トレンドマイクロが公表した2025年の国内インシデント集計によると、年間559件のセキュリティインシデントが公表されました。これは2024年(622件)からわずかに減少しているものの、依然として高水準が続いています。


2025年1月〜12月の国内セキュリティインシデント 公表件数:559件(1日あたり約1.5件) 攻撃カテゴリ1位:不正アクセス 2位:ランサムウェア

注目すべきは被害の「連鎖」です。2025年に特に目立ったのが、委託先・取引先を経由して被害が広がる「サプライチェーン攻撃」です。ある会社が攻撃を受けると、その委託元の会社にも被害が波及し、二次・三次と被害が拡大するケースが相次ぎました。


実際に2025年10月には、AIデータ入力ツールのメーカーへの攻撃が、委託先から委託元へと連鎖し、最終的に四次被害まで発展した事例も報告されています。「取引先が被害を受けたので、うちも情報が漏れた」という事態が、もはや珍しくなくなっています。


「うちは関係ない」が通じない理由


業種別の被害状況を見ると、製造・サービス・金融の順に多くなっていますが、これは業種に偏りがあるというより、日本の法人組織の業種分布を反映しているに過ぎません。実態は、業種・規模に関係なく幅広い組織が攻撃に晒されています。


2025年に実際に被害を受けた組織を見ると、大手飲料メーカー・テーマパーク運営会社・宅配サービス事業者・印刷会社・大学・医療機関など、あらゆる業種に及んでいます。共通しているのは「セキュリティ対策の隙があった」という一点だけです。


攻撃者は特定の業種を狙うのではなく、「侵入できる隙がある組織」を自動的に探し出して攻撃します。中小企業はセキュリティ対策が手薄なケースが多く、むしろ狙われやすい状況にあります。

特に入口として狙われやすいのが、VPN機器やリモートデスクトップです。

テレワーク導入後に設定したまま放置しているVPN機器の脆弱性は、攻撃者にとって格好の入口となっています。


2025年に起きた代表的な被害事例


実際にどんな被害が起きたのか、いくつかご紹介します。

いずれも「自分たちには関係ない」とは言えない規模・業種の事例です。


大手飲料メーカーグループ(9月)

ランサムウェア攻撃を受け、受注・出荷・在庫管理を担う基幹システムが停止。全国の販売・物流拠点に影響が及び、約150万件の個人情報が流出した恐れがあると発表されました。復旧には数週間を要しました。


大手通販会社(10月)

ランサムウェア攻撃により物流サービスの一部が停止。12月上旬まで本格的な事業活動の復旧に時間を要し、取引先への影響も多大なものとなりました。


保険事故調査会社(7月)

ランサムウェア被害が発生。この1社の被害が委託元の保険会社など30社以上に連鎖し、約10万件の個人情報が漏洩しました。「取引先の被害が自社の被害になる」サプライチェーン攻撃の典型的な事例です。


今日から確認すべき3つのこと


「では何をすればいいのか」——難しいことから始める必要はありません。

まず以下の3点を確認してください。


  1. VPN機器・ルーターのファームウェアが最新か確認する

    テレワーク導入時に設置したVPN機器の型番を確認し、メーカーサイトで最新バージョンへの更新が済んでいるか確認しましょう。放置しているだけで攻撃の入口になります。

  2. 主要な業務システムのパスワードを見直す

    使い回しのパスワード、初期設定のままのパスワードは今すぐ変更を。多要素認証(2段階認証)が設定できるシステムには必ず設定しましょう。

  3. 取引先・委託先のセキュリティ状況を把握する

    サプライチェーン攻撃が増加している今、自社だけ対策しても不十分な時代になっています。主要な取引先・委託先がどのような対策をしているか、一度確認してみましょう。


まとめ


  • 2025年の国内セキュリティインシデントは559件、1日1.5件のペース(出典:トレンドマイクロ、2026年1月)

  • 攻撃者は業種・規模を選ばず「隙がある組織」を狙う。中小企業も例外ではない

  • 取引先経由でも被害が波及するサプライチェーン攻撃が急増中

  • まず取り組むべきはVPN更新・パスワード見直し・取引先把握の3つ


「自社のセキュリティ、何から手をつければいいか分からない」

そのお悩み、まずはITワークラボにご相談ください。

中小企業の外部IT担当者として、現状確認から対策の優先順位づけまでサポートします。

初回相談は無料です。




📖 あわせて読みたい


「中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン」第4.0版をやさしく解説|まず見直したい3つのポイント|ITワークラボ
www.it-worklab.com
「中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン」第4.0版をやさしく解説|まず見直したい3つのポイント|ITワークラボ
IPAから、「中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン 第4.0版」が公開されました。今回の改訂は、単なる更新ではありません。ランサムウェア被害の深刻化、サプライチェーン全体での対策の必要性、人材不足といった現実を踏まえて、中小企業が取り組みやすい形へ見直されています。改訂版では、情報セキュリティ6か条、自社診断、SCS評価制度を踏まえた整理、人材確保・育成に関する付録などが盛り込まれています。 つまり今回の第4.0版は、難しい仕組みを増やしたというより、今の中小企業に必要な対策を、より実務に近い形で整理したものと考えると分かりやすいです。この記事では、ガイドライン全体を細かく追うのではなく、中小企業がまず見直したい3つのポイントに絞って整理します。1. まず見直したいのは「バックアップ」“取っている”ではなく、“戻せる”まで確認する第4.0版で特に目立つ変化のひとつが、従来の「5か条」が「6か条」になったことです。追加されたのは、「バックアップを取ろう!」 です。本文でも、情報セキュリティ6か条の中にバックアップが明記され、自社診断25項目にも「重要情報の消失に備えて定期的にバック
ランサムウェアに感染したら、復旧に1,000万円以上かかる現実|ITワークラボ公式
www.it-worklab.com
ランサムウェアに感染したら、復旧に1,000万円以上かかる現実|ITワークラボ公式
「うちは中小企業だから、サイバー攻撃なんて関係ない」そう思っている経営者の方こそ、今回の記事を読んでほしいと思います。ランサムウェアとは、パソコンやサーバー内のデータを暗号化し、「元に戻してほしければ身代金を払え」と要求するサイバー攻撃です。近年、その被害は急増しており、IPAが発表した「情報セキュリティ10大脅威 2025」では、組織部門で5年連続の第1位に選ばれています。しかも、その被害は大企業だけの話ではありません。最新データによると、被害を受けた組織のうち中小企業が半数以上を占めています。そして感染してしまった場合、復旧にかかる費用は想像をはるかに超えます。復旧費用1,000万円以上が、約半数という現実警察庁の調査によると、ランサムウェアの被害を受けた企業・団体のうち、調査や復旧にかかった費用が1,000万円以上に上ったケースは全体の約半数を占めています。「それって大企業の話でしょ?」と感じる方もいるかもしれません。ところが、中小企業の1社あたりの平均年間売上高(約2.1億円)に対して、1,000万円の復旧費用は年間売上高の約4%以上に相当します。これは経営を直撃する金額です。
中小企業のサイバー事故は「ニュースにならない」だけで、毎日起きている|ITワークラボ
www.it-worklab.com
中小企業のサイバー事故は「ニュースにならない」だけで、毎日起きている|ITワークラボ
〜報道されない現場の「静かな悲鳴」〜また大手で情報漏えいか。 まぁ、うちは狙われるほど有名じゃないからニュースを眺めながら、そんなふうに思っていませんか?確かに、大企業の事故は派手に報じられます。数十万件のデータ流出、工場の完全停止、数億円の賠償。それらは世間を騒がせる「大事件」です。しかし、私が日々向き合っているのは、そんな華々しい(と言っては語弊がありますが)ニュースの裏側。決して報道はされないけれど、確実に一社の経営を揺るがしている「現場の真実」です。「誰も知らない」だけで、事故は隣で起きている中小企業の事故がニュースにならない理由はシンプルです。上場していないから、公表義務が曖昧だから、そして何より「取引先にバレたくない」という切実な事情があるからです。ですが、現場で起きている現実は過酷そのものです。 • 朝一番、パソコンのファイルがすべて「暗号化」されて開かなくなっている。 • 取引先から「お宅の担当者の名前で、怪しいメールが届いたぞ」と怒りの電話が入る。 • 普段使っているクラウドのアカウントが乗っ取られ、勝手に操作されている。どれもニュース価値としては「小さい」かもしれま


関連ページ



コメント


bottom of page