そのアカウント、共有していませんか?──“誰が何をしたか分からない”が一番怖い
- ITワークラボ
- 10月16日
- 読了時間: 4分

「同じアカウントでいいじゃない?」から始まるリスク
パソコンを使う社員が数人。
「全員で同じユーザーを使えば、設定もラクで早い」──そう思っていませんか?
あるいは、GoogleやDropboxの共有用アカウントを1つ作り、「みんなこのパスワードでログインしてね」と運用している企業も多いはずです。
一見、手間もコストもかからず便利。
しかし、この“共用アカウント”こそが、中小企業で最も多いセキュリティリスクのひとつです。
共用アカウントで起きがちな3つのトラブル
① 誰が何をしたのか分からない
ファイルが削除されても、「誰が消したのか」が分かりません。
誤操作なのか、意図的なのか、確認できないまま時間だけが過ぎます。
トラブル対応では「証拠」が何より大切ですが、
共用アカウントでは操作ログが“全員の行動”として記録されるため、追跡できません。
② 退職・異動後の“抜け漏れ”
社員が退職したあとも、そのアカウントが生きているケース。
クラウドにアクセスできるパスワードを知っていれば、退職後でもデータの閲覧・ダウンロードが可能です。
「まさか本人がそんなことを…」と思っていても、万一の事故が起きれば、会社としての管理責任が問われます。
③ パスワード管理が崩壊する
複数人で共有するほど、パスワードはどんどん変わります。
「誰が最新のパスワードを知ってるの?」と混乱した経験はありませんか?
結果として、付箋に書いてモニターに貼る、ノートにメモするなど、情報漏洩の温床になりがちです。
“個別アカウント”の方が安心で確実
共用より個別にすると「手間が増える」と思われがちですが、実際には管理がシンプルになり、トラブル時もすぐ動けるようになります。
🔹 メリット1:責任が明確になる
誰が、いつ、どのファイルを操作したかが分かる。
「確認できる」ことが、組織を守る大きな力になります。
🔹 メリット2:退職時の管理が簡単
社員が退職したとき、該当アカウントを停止するだけ。
他の社員の業務に影響を与えず、安全に引き継げます。
🔹 メリット3:権限を細かく設定できる
閲覧だけ、編集できる人だけ、など必要に応じてアクセス範囲を調整できます。
すぐにできる3つの改善ステップ
① クラウドサービスの「ユーザー追加機能」を使う
今使っているクラウドサービス(Dropbox、Googleドライブ、Canvaなど)には、ユーザーごとにアクセス権を付与できる「ユーザー追加機能」があります。
これを使えば、共有アカウントを使わずに、「誰がどのファイルを編集したか」を履歴で確認できます。
追加コストもほとんどかからず、即日で始められる改善策です。
まずは、この設定を見直すだけでも、アカウント管理の精度が大きく変わります。
低コストで設定できるプランも多く、まずは部門単位で分けるだけでも効果があります。
② 退職時・異動時のルールを明文化
「退職日までにアカウント停止」「権限は管理者が変更」など、運用ルールを決めておくだけで、トラブルを大幅に減らせます。
③ パスワード共有をやめる
複数人で使う必要がある場合は、「パスワード管理ツール」を利用しましょう。
紙メモよりは安全です。
“見える化”はセキュリティの第一歩
個別アカウントを導入することは、単にセキュリティを高めるだけでなく、「信頼の見える化」でもあります。
「誰がどの仕事をしているか」が明確になれば、トラブル時の責任も曖昧にならず、社員同士の信頼関係も生まれます。
手間を惜しんで共有を続けるより、“仕組みで守る”方向に変えるほうが、結果的にラクで安全です。
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