そのパソコン、誰のもの?──“端末管理”ができていない会社が抱える3つのリスク
- ITワークラボ
- 10月23日
- 読了時間: 4分

「このパソコン、誰の?」から始まるトラブル
ある中小企業で、社員が退職した後にパソコンが1台残りました。ところが、どの社員が使っていたのか分からず、パスワードも不明。ログインできないまま放置……。
似たような話、実は少なくありません。「うちは社員数も少ないから大丈夫」と思っていても、業務端末を明確に管理していない会社は意外と多いのです。
そして、トラブルや情報漏えいが起きたときに、「誰のパソコンか分からない」=対応できないという状況に陥ります。
① 紛失・盗難時に追跡できない
ノートパソコンやUSBメモリなど、持ち運びできる端末は便利ですが、「紛失したら誰のものか分からない」というのが最大の問題です。
社外での打ち合わせやリモートワーク中に紛失した場合、管理台帳がなければ、機器の特定すらできません。
また、個人情報や取引先データが保存されていた場合、報告や対策が遅れることで、信用にも大きな影響を与えます。
管理できていない=責任を取れない。
端末管理は「トラブル後の行動」を決める準備でもあります。
② 退職・異動時の端末が放置される
社員が退職した際に、
「返却されたパソコンの中にどんなデータがあるか分からない」
「設定を初期化せず次の社員に渡している」
──こうしたケースも非常に多く見られます。
退職者のアカウントやクラウド連携が残ったままだと、アクセス可能な状態で外部に情報が流出する恐れもあります。また、社内のルールがないと、「私物パソコンで業務をしていた」ケースも見落とされがちです。
“退職時の確認”を仕組み化しておくことで、無駄なリスクを減らし、後から慌てずに済みます。
③ セキュリティ更新がバラバラになる
中小企業では、社員それぞれが端末を使っている一方で、誰がどんな設定をしているか把握できていないことが多いです。
Windows Updateを止めている
セキュリティソフトが期限切れ
管理者権限を全員が持っている
このような環境では、ウイルス感染や外部攻撃のリスクが高まります。
特に、古いPCや使わなくなった端末を放置しておくと、そこから社内ネットワークに侵入される可能性もあります。
すべての端末を「最新・安全な状態」に保つには、まず“何台あるか”を把握することが第一歩です。
まずやるべき3つの“見える化”ステップ
① 端末の一覧をつくる
パソコン・スマホ・タブレットを含めて、すべての業務端末をリスト化しましょう。
記録すべき項目は次の通りです。
使用者名
機種・型番
購入日・シリアル番号
使用場所(事務所・在宅など)
状態(稼働中/保管中)
Excelやスプレッドシートでも十分です。
これだけで「今、会社に何台あるか」が一目で分かります。
② 貸与・返却ルールを決める
社員に端末を渡すとき、また退職時に返却を受けるときのルールを明文化しておきましょう。
「業務に使う端末は会社貸与とする」
「退職時は初期化を確認してから返却」
といった基本ルールがあるだけで、トラブルを未然に防げます。
③ セキュリティ設定を統一する
ログインパスワードの設定
画面ロックまでの時間
Windows Updateを自動にする
こうした設定を全端末で統一しておくと、管理者がいなくても安全性を一定レベルに保てます。
まとめ:「管理されていない端末」は見えないリスク
端末管理というと難しく感じるかもしれませんが、やることはシンプルです。
まずは「誰が」「どこで」「どんな端末を使っているか」を把握する。
これだけで、トラブル時の対応力は大きく変わります。
管理することは、社員を縛ることではありません。
会社を守る仕組みをつくることです。
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