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ITツールを導入した会社の約7割が、期待した効果を得られていない

  • 3月17日
  • 読了時間: 5分

更新日:4月10日


「ITツールを入れたのに、なぜか業務が楽にならない」


そんな声を、経営者の方からよく耳にします。

クラウドサービスを導入した、勤怠管理システムを入れた、チャットツールを使い始めた。

でも、現場は相変わらずExcelと紙が中心——。


これは、決して珍しいことではありません。


ITツールの導入プロジェクトのうち、約70%が期待した成果を得られていないといわれています。「導入した=成功」ではないのです。


では、成功した会社と失敗した会社の間には、いったい何の違いがあるのでしょうか。


失敗する会社に共通する「3つのパターン」


多くの失敗事例を分析すると、IT導入がうまくいかない会社には明確な共通点があります。


パターン① 「とりあえずDX」で目的が曖昧なまま導入する

失敗の原因として最も多いのが「明確な目標設定の欠如」で、全体の約32%を占めています。「国が補助金を出しているから」「周りの会社が導入しているから」という理由で、何のために入れるのかが曖昧なまま進んでしまうケースです。


具体的なKPIを設定していない企業のIT導入成功率はわずか23%(帝国データバンク調査)


「受注処理の時間を30%削減したい」

「月次の経理作業を3日から1日に短縮したい」


このように、導入前に数値目標を決めているかどうかが、成否を大きく左右します。


パターン② 経営者だけが盛り上がり、現場が置き去りになる

経営層が描く「効率化のビジョン」と、日々の業務に追われる現場担当者の実感の間には、大きな溝が生まれがちです。社長がシステムを選定し、現場への説明もないまま導入。結果、「使わされるシステム」となり、誰も使わなくなる——このパターンは非常によく見られます。


ある製造業の会社では、経営層主導で高額な生産管理システムを導入したものの、現場スタッフが使いこなせず、従来の紙とExcelが併存し続けました。最終的にシステムへの投資は無駄となり、現場の不満だけが残りました。


パターン③ 「担当者」を決めていない

IT導入において、社内の推進役(旗振り役)がいるかどうかは決定的な差を生みます。


専任担当者を置いていない企業のIT導入失敗率は65%にのぼるという調査結果もあります


「みんなで使いましょう」という掛け声だけでは、誰も責任を持ちません。

特定の社員を推進担当に任命し、わからないことを聞ける体制を作ることが、定着への近道です。


成功した会社が最初にやったこと


では、IT導入がうまくいった会社は何が違ったのでしょうか。

成功事例に共通する行動が3つあります。


① 小さく始めて、効果を確かめてから広げた

全社一斉導入ではなく、特定の部署・特定の業務から試験的に始める「スモールスタート」が成功のセオリーです。1つの業務で成功体験を作り、そこから横展開していくことで、現場の抵抗感も少なくなります。


【事例】

東京都八王子市の有限会社アイグラン(パン製造小売)は、地元のIT販売会社のサポートを得ながら少しずつIT化を積み重ね、「ITに精通した社員がいない中でも着実にIT化を進展させた企業」として中小企業白書2018年版(p.226 事例2-4-3)に紹介されています。


② 現場の声を聞いてからツールを選んだ

「社長が良いと思ったもの」ではなく、「現場が使いやすいもの」を選ぶことが大切です。

実際に使う社員にヒアリングし、業務フローに合ったツールを選定した会社は、定着率が格段に高くなります。


IT導入は「手段」であり「目的」ではありません。

現場の課題を解決するためのツールを選ぶ、という順番が重要です。


③ 「頼れる外部の専門家」を持っていた

専門家の支援を受けたIT導入プロジェクトは、成功率が約55%向上するというデータがあります。社内にITに詳しい人材がいない中小企業こそ、信頼できる外部のIT担当者・アドバイザーの存在が大きな差を生みます。


「どのツールが自社に合うか」

「補助金は使えるか」

「導入後のサポートはどうするか」


こうした判断を一人で抱え込まないことが、成功への最短ルートです。


導入前に、経営者が自分に問うべき3つの質問


ITツールの検討を始める前に、まずこの3つを自問してみてください。


  1. 「何のために導入するのか」数値で答えられるか? 「業務効率化のため」では曖昧です。 「月20時間かかっている請求書処理を5時間にする」レベルで目標を決めましょう。

  2. 「現場の誰か」に相談したか? 実際に使う担当者の意見を聞かずに選定したツールは、使われないまま終わります。

  3. 導入後のサポート体制を確認したか?

    「導入して終わり」のベンダーも少なくありません。 困ったときに相談できる相手がいるかどうかを、契約前に必ず確認しましょう。

まとめ


・   IT導入プロジェクトの約70%が期待した成果を得られていない

・   失敗の共通点は「目的が曖昧」「現場が置き去り」「担当者不在」の3パターン

・   成功した会社は「スモールスタート」「現場の声」「外部専門家」を活用している

・   導入前に「何のために」「誰が使うか」「サポートは?」の3点を必ず確認する


「どのITツールが自社に合うか分からない」

「導入後のサポートをしてほしい」

そんなお悩みがあれば、まずはお気軽にご相談ください。

ITワークラボでは、中小企業の外部IT担当者として、ツール選定から導入・定着まで一貫してサポートします。




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